GSサウンドノート Ver5 使いこなし集
はじめに
この使いこなし集は、GSサウンドノートの実際の作業の流れに沿って操作手順をまとめたものです。音声ファイルの読み込みから書き出しまで、各操作を分かりやすく解説します。
1. 初回起動時の設定
音声ガイドの設定
GSサウンドノートを初めて起動した際は、音声ガイドがオフになっています。まず、ご使用のスクリーンリーダーで読み上げられるように設定しましょう。
- Alt+T を押してツールメニューを開きます
- 下カーソル を1回押して「音声設定」に移動し、Enter を押します
- 音声エンジンのコンボボックスで 「PC-Talker」 か 「NVDA」 を選択します
- OKボタン を押して設定を保存します
これで、GSサウンドノートの音声ガイドが有効になります。
2. 音声ファイルの読み込み
基本的な読み込み操作
音声ファイルを編集するには、まずファイルを読み込む必要があります。
- Control+O を押します
- ファイルオープンダイアログが表示されます
- 編集したい音声ファイル(.wav、.mp3、.m4a、.mp4、.wma形式)を選択します
- Enter を押してファイルを開きます
ヒント: エクスプローラの「送る」メニューからも読み込むことができます。
複数ファイルの連結(挿入読み込み)
既に読み込んでいる音声データに、別の音声ファイルを連結することができます。
先頭に連結する場合:
- ファイルメニューから「挿入読み込み」→「先頭に挿入読み込み」を選択
- 連結したいファイルを選択して Enter
現在の再生位置に連結する場合:
- 連結したい位置に再生位置を移動します
- ファイルメニューから「挿入読み込み」→「再生位置に挿入読み込み」を選択
- 連結したいファイルを選択して Enter
終端に連結する場合:
- ファイルメニューから「挿入読み込み」→「終端に挿入読み込み」を選択
- 連結したいファイルを選択して Enter
3. 録音機能の使い方
基本的な録音操作
GSサウンドノートでは、パソコンで流れる音声やマイクからの音声を録音できます。
録音の開始と停止:
- 録音したいトラックに移動します(数字キー1〜8)
- Control+R を押すと録音が開始されます
- もう一度 Control+R を押すと録音が停止します
録音の一時停止:
- 録音中に Shift+R を押すと一時停止します
- もう一度 Shift+R を押すと録音が再開されます
録音状況の確認:
- Control+1 を押すと、現在のトラックの状態が読み上げられます
- 録音中であれば「トラック1 録音中」などと読み上げられます
録音デバイスの設定
初期状態では、パソコン内部で流れる音が録音されます。マイクから録音する場合は設定を変更します。
- F10 を押して録音設定ダイアログを開きます
- 録音デバイス選択のコンボボックスで、使用したいマイクを選択します
- パソコン内部の音を録音する場合は「既定の再生デバイス」を選択
- 必要に応じて「録音の状態を効果音で確認」にチェックを入れます
- OKボタン を押して設定を保存します
注意事項:
- 録音は、トラックに音声ファイルが読み込まれていない状態でのみ実行できます
- 同時に複数のトラックで録音することはできません
- 録音データが2000MB(約180分)に達すると自動停止します
4. 音声ファイルの再生
基本的な再生操作
再生の開始と停止:
- スペースキー を押すと、現在のトラックの再生が開始されます
- もう一度 スペースキー を押すと停止します
全トラックの一括再生:
- Control+スペース を押すと、全トラックが同時に再生されます
- 停止は スペースキー または Control+スペース で行います
再生位置の移動
細かい移動:
- 10ミリ秒戻す: Control+Shift+Alt+左カーソル
- 10ミリ秒進める: Control+Shift+Alt+右カーソル
- 100ミリ秒戻す: Control+Shift+左カーソル
- 100ミリ秒進める: Control+Shift+右カーソル
標準的な移動:
- 1秒戻す: Alt+左カーソル
- 1秒進める: Alt+右カーソル
- 10秒戻す: 左カーソル
- 10秒進める: 右カーソル
大きな移動:
- 1分戻す: Control+左カーソル
- 1分進める: Control+右カーソル
- 5分戻す: Shift+左カーソル
- 5分進める: Shift+右カーソル
端への移動:
- 先頭に戻す: Home または Backspace
- 終端に移動: End
割合での移動:
- Shift+0: 先頭(0%の位置)
- Shift+1: 10%の位置
- Shift+5: 50%の位置
- Shift+9: 90%の位置
再生スピードの調整
注意: ここでの再生スピード変更は、聴くためのテンポ調整です。音声データそのものは変更されません。
- スピードを上げる: Control+上カーソル
- スピードを下げる: Control+下カーソル
- 1.0倍に戻す: Control+Home
- 現在のスピードを確認: Control+6
状態の確認
再生に関する情報を確認するコマンド:
- Control+1: 現在のトラック番号を読み上げ
- Control+6: 再生スピードを読み上げ
- Control+7: 現在の再生位置を読み上げ
- Control+8: 音声ファイルの収録時間を読み上げ
- Control+9: チャンネル数(モノラル/ステレオ)を読み上げ
- Control+0: サンプリングレートを読み上げ
5. 範囲選択の方法
音声データを編集・加工するには、対象となる範囲を選択する必要があります。
基本的な範囲選択
全体を選択:
先頭から現在位置まで選択:
現在位置から終端まで選択:
任意の範囲を選択する方法
- 範囲選択を開始したい場所に再生位置を移動します
- F4 を押します(1回目)
- 範囲選択を終了させたい場所に再生位置を移動します
- F4 を押します(2回目)
範囲選択の確認と調整
選択範囲の確認:
- Control+4 を押すと、現在の範囲選択の状態が読み上げられます
選択範囲の始点・終点に移動:
- 始点に移動: Control+Shift+Home
- 終点に移動: Control+Shift+End
選択範囲の変更:
- 変更したい始点または終点に再生位置を移動します
- Shift+F4 を押して、その始点または終点をクリアします
- 新しい位置に再生位置を移動します
- F4 を押して範囲を再設定します
選択範囲のキャンセル:
6. 音声データの編集
コピー・切り取り・貼り付け
範囲選択した部分をコピー:
- コピーしたい部分を範囲選択します
- Control+C を押します
- データはGSサウンドノート内部に記録されます(Windowsのクリップボードは使用しません)
範囲選択した部分を切り取り:
- 切り取りたい部分を範囲選択します
- Control+X を押します
コピーしたデータを貼り付け:
- 貼り付けたい位置に再生位置を移動します
- Control+V を押します
ミックス貼り付け:
- ミックスしたい位置に再生位置を移動します
- Control+Shift+V を押します
- 既存のデータとコピーしたデータが合成されます
- 無料版では最大1分までの制限があります
その他の編集操作
範囲選択した部分以外を削除:
- 残したい部分を範囲選択します
- Control+T を押します
元に戻す(アンドゥ):
- Control+Z を押すと、1つ前の編集状態に戻ります
7. 音声クリップ機能
音声クリップ機能を使うと、よく使う音声データを部品として保存し、簡単に再利用できます。
音声クリップの保存
- 音声クリップとして保存したい部分を範囲選択します
- Shift+C を押します
- 音声クリップの保存ダイアログが表示されます
- わかりやすい名前を入力します
- Enter を押すと保存されます
音声クリップの利用
- Shift+V を押して音声クリップ一覧を開きます
- 上下カーソルで使用したい音声クリップを選びます
- 以下のいずれかの方法で利用します:
- Alt+V: 現在の再生位置に貼り付け
- Alt+M: 現在の再生位置にミックス貼り付け
- Enter の後、貼り付けボタンまたはミックス貼り付けボタンを選択
音声クリップの管理
クリップの確認:
- Control+7: 一覧の項目数と現在位置を読み上げ
- Control+8: 選択中のクリップの収録時間を読み上げ
- スペースキー: 選択中のクリップを再生(いずれかのキーで停止)
クリップの削除:
- 削除したいクリップにカーソルを合わせます
- Delete を押します
- 確認メッセージで「はい」を選択します
- 削除されたクリップはWindowsのごみ箱に移動します
8. マーク機能
マーク機能を使うと、音声データの重要な位置に目印を付けることができます。
マークの設定と移動
マークを設定:
- マークを付けたい位置に再生位置を移動します
- Control+F2 を押します
マーク一覧を表示:
- F2 を押します
- 一覧からマークを選択して Enter を押すと、その位置に移動します
- 一覧で Delete を押すとマークを削除できます
マーク間の移動:
- 先頭のマークへ: Control+PageUp
- 前のマークへ: PageUp
- 次のマークへ: PageDown
- 最後のマークへ: Control+PageDown
9. 音声の加工
サンプリングレートの変更
音声の音質(サンプリングレート)を変更します。
- トラックに音声データが読み込まれている状態で Alt+Q を押します
- 「音質変換」にカーソルがありますので Enter を押します
- 変換したいサンプリングレートを選択して Enter を押します
- 音質変換作業が開始されます
ノーマライズ(音量の最適化)
音割れしない範囲で音量を最大まで引き上げます。
- ノーマライズしたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「ノーマライズ」に移動して Enter を押します
- ノーマライズ処理が開始されます
音量の変更
任意の割合で音量を変更します。
- 音量を変更したい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「音量変更」に移動して Enter を押します
- 音量指定ダイアログで変更後の音量を指定します
- 100が現在の音量です
- 0%〜200%の範囲で指定できます
- 100%より大きくする場合は音割れに注意してください
- Enter を押すと音量変換が開始されます
フェードイン・フェードアウト
音声を徐々に大きくしたり小さくしたりします。
フェードイン(徐々に大きく):
- フェードインさせたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「フェードイン」に移動して Enter を押します
フェードアウト(徐々に小さく):
- フェードアウトさせたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「フェードアウト」に移動して Enter を押します
無音の挿入
再生位置に無音を挿入:
- 無音を挿入したい位置に再生位置を移動します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「再生位置に無音を挿入する」に移動して Enter を押します
- 無音の長さを指定します
- 分: 0〜30分
- 秒: 0〜59秒
- ミリ秒: 10〜990ミリ秒(10ミリ秒単位)
- Enter を押すと無音が挿入されます
選択範囲を無音に変換:
- 無音に変換したい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「選択範囲を無音にする」に移動して Enter を押します
ステレオ音声の左右入れ替え
ステレオ音声の左右のチャンネルを入れ替えます。
- 入れ替えたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「ステレオ音声の左右チャンネル入れ替え」に移動して Enter を押します
逆再生
音声を逆方向に再生されるように加工します。
- 逆再生させたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「選択範囲を逆再生」に移動して Enter を押します
エコー効果
音声にエコー(反響)効果をかけます。
- エコーをかけたい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「選択範囲にエコーをかける」に移動して Enter を押します
- 「エコー1」または「エコー2」を選択して Enter を押します
再生速度の変更
音程を維持したまま再生速度を変更します。
- 速度を変更したい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「選択範囲の再生速度を変更」に移動して Enter を押します
- 速度指定ダイアログで変更後の速度を選択します(0.5倍〜2.0倍)
- Enter を押すと速度変更が開始されます
音程の変更
再生速度を維持したまま音程を変更します。
- 音程を変更したい部分を範囲選択します
- Alt+Q を押して加工メニューを開きます
- 下カーソルで「選択範囲の音程を変更」に移動して Enter を押します
- 音程指定ダイアログで変更後の音程を選択します
- 1度刻みで1オクターブ下〜1オクターブ上まで指定可能
- 1度 = 1オクターブの12分の1
- Enter を押すと音程変更が開始されます
10. 音声ファイルの保存
上書き保存
編集した内容で元のファイルを上書きします(注意: オリジナルが書き換わります)。
- Control+S を押します
- 確認メッセージが表示されます
- 上書きして良ければ「はい」を選択します
名前を付けて保存
編集した音声を新しいファイルとして保存します。
- Control+Shift+A を押します
- ファイル保存ダイアログが表示されます
- ファイル名、保存場所、ファイル形式(.wavまたは.mp3)を指定します
- Enter を押して保存します
選択範囲を保存
範囲選択した部分だけを新しいファイルとして保存します。
- 保存したい部分を範囲選択します
- ファイルメニューから「選択範囲に名前を付けて保存」を実行します
- ファイル名と保存場所を指定して Enter を押します
マークで分割して保存
設定したマークの位置で音声を分割して複数のファイルとして保存します。
- あらかじめマークを設定しておきます
- ファイルメニューから「マークで分割して保存」を実行します
- ファイル名と保存場所を指定します
- Enter を押すと、マークで区切られた複数のファイルが作成されます
ステレオ音声を左右に分離して保存
ステレオ音声を左チャンネルと右チャンネルの2つのファイルに分けて保存します。
- ファイルメニューから「ステレオ音声を左右に分離して保存」を実行します
- ファイル名と保存場所を指定します
- Enter を押すと、2つのファイルが作成されます
- ファイル名の末尾に「\_L」(左)と「\_R」(右)が付加されます
11. マルチトラック機能
GSサウンドノートは最大8つのトラックで同時に編集作業ができます。
トラックの切り替え
- 1キー: トラック1に移動
- 2キー: トラック2に移動
- 3〜8キー: それぞれトラック3〜8に移動
現在のトラック番号を確認: Control+1
トラックのクリア
現在のトラックの内容を消去します。
全トラックの一括再生
複数のトラックに音声を読み込んでいる場合、同時に再生できます。
- Control+スペース を押します
- 全トラックが同時に再生されます
- 再生位置の移動コマンドを使うと、全トラックの再生位置が連動して移動します
- 停止は スペースキー または Control+スペース で行います
ミュート機能
特定のトラックの音を消すことができます。
現在のトラックをミュート:
現在のトラックのミュートを解除:
全トラックをミュート:
全トラックのミュートを解除:
ミュート状態の確認:
ミックスダウン(全トラックを1つに統合)
複数のトラックの音声を合成して1つのファイルとして書き出します。
- 複数のトラックに音声を読み込んでいる状態で、ファイルメニューから「全てのトラックをミックスして保存」を実行します
- ファイル保存ダイアログでファイル名、保存先、形式(.wavまたは.mp3)を指定します
- 保存ボタンを押します
- 音質指定ダイアログで書き出す音質を指定します
- Enter を押すとミックスダウンが開始されます
注意: 無料版では冒頭5分までの制限があります
12. プロジェクト機能
複数トラックでの作業内容を保存・管理できます。
プロジェクトの作成と保存
- 複数のトラックで編集作業を行います
- Control+Shift+S を押します
- プロジェクト保存ダイアログでプロジェクト名を入力します
- Enter を押すと作業内容が保存されます
プロジェクトを開く
通常の開き方:
- Control+Shift+O を押します
- プロジェクト名のフォルダ内にある「TrackInfo.project」を選択します
- Enter を押すとプロジェクトが読み込まれます
履歴から開く:
- Control+F1 を押します
- 最近使用したプロジェクトの一覧が表示されます
- 開きたいプロジェクトを選択して Enter を押します
新規プロジェクトの開始
現在のプロジェクトを閉じて新規の作業状態にします。
プロジェクトフォルダを開く
保存したプロジェクトの保存場所を確認します。
- ファイルメニューから「プロジェクトの保存フォルダを開く」を実行します
- エクスプローラでUserProjectフォルダが表示されます
13. その他の便利な機能
全般設定
Alt+T を押してツールメニューから「全般設定」を選択すると、以下の設定ができます:
- 起動時に更新チェックを行う: 最新版の確認
- 起動時に前回の作業状態を再現する: 前回の続きから開始
- 読み込んだ音声データを自動再生する: 読み込み後すぐに再生
- MP3ファイルのビットレート: lame.exe導入時に音質を指定可能
- 作業フォルダ: 編集作業に使用するフォルダの変更
情報の確認
- Control+1: 現在のトラック番号
- Control+2: 現在のプロジェクト名
- Control+3: 読み込まれているファイル名
- Control+4: 範囲選択の状態
- Control+5: ミュート状態
- Control+6: 再生スピード
- Control+7: 再生位置
- Control+8: 収録時間
- Control+9: チャンネル数
- Control+0: サンプリングレート
- Alt+6: 選択されている録音デバイス
操作マニュアルを開く
14. 実践的な作業例
例1: 音声ファイルの不要部分をカットする
- Control+O で音声ファイルを開く
- スペースキー で再生して、削除したい部分を確認
- 削除したい部分の開始位置に移動して F4(1回目)
- 削除したい部分の終了位置に移動して F4(2回目)
- Control+4 で選択範囲を確認
- Control+X で切り取り
- Control+S で上書き保存、または Control+Shift+A で別名保存
例2: 複数の音声ファイルを連結する
- Control+O で最初のファイルを開く
- ファイルメニューから「挿入読み込み」→「終端に挿入読み込み」
- 2つ目のファイルを選択
- 必要に応じて3つ目以降も同様に追加
- Control+Shift+A で連結したファイルを保存
例3: 音量が小さい音声を大きくする
- Control+O で音声ファイルを開く
- Control+A で全体を選択
- Alt+Q →「ノーマライズ」で Enter
- それでも小さい場合は Alt+Q →「音量変更」で150%など指定
- Control+Shift+A で保存
例4: 音声の冒頭と末尾にフェード効果を付ける
- Control+O で音声ファイルを開く
- フェードインしたい部分(冒頭数秒)を範囲選択
- Alt+Q →「フェードイン」で Enter
- End で終端に移動
- フェードアウトしたい部分(末尾数秒)を範囲選択
- Alt+Q →「フェードアウト」で Enter
- Control+Shift+A で保存
例5: 音声を早口にする(時間短縮)
- Control+O で音声ファイルを開く
- Control+A で全体を選択
- Alt+Q →「選択範囲の再生速度を変更」で Enter
- 速度を1.5倍や2.0倍など指定して Enter
- Control+Shift+A で保存
例6: BGMとナレーションを合成する
- 1キー でトラック1に移動
- Control+O でBGMファイルを開く
- 2キー でトラック2に移動
- Control+O でナレーションファイルを開く
- 必要に応じてトラック1のBGMの音量を下げる:
- 1キー でトラック1に移動
- Control+A で全選択
- Alt+Q →「音量変更」で50%など指定
- Control+スペース で全トラック再生して確認
- ファイルメニューから「全てのトラックをミックスして保存」
- ファイル名と形式を指定して保存
例7: ポッドキャストの編集
- Control+R で録音開始
- 録音終了後 Control+R で停止
- スペースキー で再生して確認
- 不要な部分(言い間違いなど)を範囲選択して Control+X で削除
- 無音部分が長すぎる場合:
- その部分を範囲選択
- Alt+Q →「選択範囲を無音にする」
- または範囲選択して Control+X で削除
- 音量を整える:
- Control+A で全選択
- Alt+Q →「ノーマライズ」
- 冒頭と末尾にフェード効果を追加(例4参照)
- Control+Shift+A でMP3形式で保存
例8: 音声クリップを活用した編集
効果音やジングルなど、繰り返し使う音声を音声クリップに登録しておくと便利です。
準備(効果音を音声クリップに登録):
- Control+O で効果音ファイルを開く
- Control+A で全選択
- Shift+C を押す
- 「効果音_拍手」など分かりやすい名前を付けて Enter
使用(編集中に効果音を挿入):
- 編集中の音声ファイルで効果音を入れたい位置に再生位置を移動
- Shift+V で音声クリップ一覧を開く
- 上下カーソルで「効果音_拍手」を選択
- スペースキー で内容を確認(任意)
- Alt+V で貼り付け、または Alt+M でミックス貼り付け
例9: ステレオ音声の片側だけを編集
- Control+O でステレオ音声ファイルを開く
- ファイルメニューから「ステレオ音声を左右に分離して保存」
- 左チャンネル(\_L)と右チャンネル(\_R)の2つのファイルが作成される
- Control+O で編集したい方のファイル(例: \_L)を開く
- 必要な編集を行う
- Control+Shift+A で保存
- 必要に応じて、編集した左チャンネルと元の右チャンネルを別々のトラックに読み込んでミックスダウン
例10: マークを使った効率的な編集
長い音声の複数箇所を編集する場合、マークを活用すると便利です。
- Control+O で長い音声ファイルを開く
- スペースキー で再生しながら、編集したい箇所で Control+F2 を押してマークを設定
- 例: 不要な咳払い、長い無音、音量調整が必要な箇所など
- 全体を確認し終わったら、F2 でマーク一覧を開く
- 最初のマークを選択して Enter でその位置に移動
- 必要な編集(削除、音量調整など)を実行
- PageDown で次のマークに移動して編集を続ける
- 全ての箇所の編集が終わったら Control+Shift+A で保存
15. トラブルシューティングとヒント
よくある質問
Q: 音声ガイドが聞こえない
A: Alt+T → 音声設定でご使用のスクリーンリーダーが選択されているか確認してください。
Q: 録音ができない
A: 以下を確認してください:
- トラックに音声ファイルが読み込まれていないか(Control+Nでクリア)
- 録音デバイスが正しく選択されているか(F10で確認)
Q: 編集した内容が元に戻ってしまった
A: Control+Zを誤って押した可能性があります。保存前であれば再度編集してください。
Q: ファイルが開けない
A: 対応形式(.wav、.mp3、.m4a、.mp4、.wma)か確認してください。
Q: 音割れが発生する
A: 音量を上げすぎている可能性があります。まずノーマライズを試し、それでも音量が足りない場合は慎重に音量変更してください。
効率的な作業のコツ
- こまめに保存: Control+Shift+Aで別名保存を活用し、編集の段階ごとにファイルを残しましょう
- プロジェクト機能を活用: 複数トラックでの作業はプロジェクトとして保存すると、作業の再開が簡単です
- 音声クリップの活用: よく使う効果音やジングルは音声クリップに登録しておくと作業が効率化されます
- マークの活用: 長い音声の編集では、編集箇所にマークを付けてから作業すると見落としがありません
- 再生スピードの調整: 編集箇所を探す際は、Control+上カーソルで再生スピードを上げると時間短縮になります
- ミュート機能の活用: 複数トラックで作業する際、特定のトラックだけを聴きたい場合はミュート機能が便利です
- 範囲選択の確認: 編集前にControl+4で選択範囲を確認する習慣をつけると、誤操作を防げます
作業フローの例
基本的な編集フロー:
読み込み → 再生確認 → マーク設定 → 範囲選択 → 編集/加工 → 確認 → 保存
複数トラック作業フロー:
プロジェクト作成 → 各トラックにファイル読み込み → 個別編集 → ミュートで確認 → 全トラック再生 → ミックスダウン → 保存
16. 無料版と有料版の違い
無料版では以下の機能制限があります:
- トラック数: トラック1とトラック2のみ使用可能(有料版は8トラック)
- 録音時間: 最大10分まで(有料版は約180分)
- ミックス貼り付け: 最大1分まで(有料版は制限なし)
- ミックスダウン: 冒頭5分まで(有料版は制限なし)
本格的な編集作業を行う場合は、有料ライセンスの購入をご検討ください。
ライセンス価格:
- 新規購入: 4,400円(税込)
- Ver4からVer5へのアップグレード: 2,200円(税込)
- 1ライセンスで3台まで使用可能
17. 拡張機能
lame.exeの導入(MP3品質向上)
lame.exeを導入すると、MP3保存時のビットレート(64〜320Kbps)を指定できるようになります。
- https://www.rarewares.org/files/mp3/lame3.100.1-win32.zip からダウンロード
- .zipファイルを解凍
- lame.exeをGSサウンドノートのインストールフォルダに配置
- 全般設定でMP3ビットレートを選択可能になります
flac.exeの導入(FLAC形式対応)
flac.exeを導入すると、可逆圧縮形式の.flacファイルで保存できるようになります。
- https://ftp.osuosl.org/pub/xiph/releases/flac/flac-1.3.2-win.zip からダウンロード
- .zipファイルを解凍
- win32フォルダ内のflac.exeをGSサウンドノートのインストールフォルダに配置
- .flac形式での保存が可能になります
おわりに
この使いこなし集では、GSサウンドノートの主要な機能と実践的な使い方を解説しました。
キーボードコマンドは最初は多く感じるかもしれませんが、よく使う操作から少しずつ覚えていけば、快適に音声編集ができるようになります。
特に重要なコマンド:
- Control+O: ファイルを開く
- スペースキー: 再生/停止
- F4: 範囲選択
- Control+C/X/V: コピー/切り取り/貼り付け
- Alt+Q: 加工メニュー
- Control+Shift+A: 名前を付けて保存
この使いこなし集を参考に、GSサウンドノートでの音声編集をお楽しみください。
詳しい情報は操作マニュアルもご参照ください。